「初営業前夜」にグーグルを利用する
営業マンが初めて顧客と会うとき、顧客に関する情報を事前に集めておくのは必須事項です。ただ、おそらくどの営業マンもやる気になるのは商談の前日でしょう。忙しい営業マンは商談に向かう電車の中で資料を読むのが精いっぱい、という事態も考えられます。そんなときにぜひ活用してほしいのが、グーグル・アナリティクスで得た情報です。
どのようなキーワードでアクセスしてくる顧客が多いのか、どのページを閲覧して問い合わせに全るケースが多いのかなどの情報を調べておくと、商談の参考になります。例えば、「財務」で検索する顧客が多いのか、「会計」で検索する顧客が多いのかによって、営業のときに使う言葉を調整します。自社の製品名が「会計ソフト」であっても、財務というキーワードで検索して問い合わせに至る顧客が多ければ、「当社の財務ソフトは」と言葉を合わせるのです。
これは同じ言葉を使って話していると違和感がないので、話が弾みやすいという効果があります。そして、キーワードにはその顧客のニーズが隠されています。これを「キーワードインテント」といいます。財務というキーワードで検索した人は、お金の管理をする会計だけではなく、会計のデータをもとに経営分析をするところまで求めているかもしれません。財務というキーワードを使って話すうちに、顧客が自分でも気付いていなかったニーズを掘り起こせるのです。
また、閲覧数の多いベlジも商談のときの材料になります。セミナーのページが長時間見られているなら、商品を強く勧めなくても、「まずはセミナーに参加してみませんか」と資料を渡すと、相手もすんなりと受け入れやすくなります。セミナーに参加すれば契約が成立する可能性は高くなるので、営業マンの負担も減るわけです。
このように、グーグルで集めた情報はさまざまな場面で活躍します。皆さんも、自分なりの効果的な使い方を考えてみてください。
工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋