ステップ1 キーワード広告を試験的に出す
アドワーズもスポンサードサーチも、登録したいキーワードをオークションで競り落とす(入札する)システムです。
例えば、消費者金融が「キャッシング」というキーワードでユーザーが検索したときに、自社の広告を表示してもらいたいと考えたとします。ところが、消費者金融は今や大手企業でしのぎを削っている状態なので、その分落札額も高くなります。「融資」「キャッシング」というキーワードの落札制聞は1クリック3000円といわれています。1日にユーザーが100人クリックしたら30万円支払うことになります。中小企業がここまでコストをかけるのは厳しいので、なるべく競合が少なく、けれども多くのユーザーが使いそうなキーワードを考えなければなりません。「社名にしよう」 と考える人もいるかもしれませんが、社名にして有効なのは世間に名前が知れ渡っている会社だけです。せっかく登録してもユーザーに検索してもらえなければ意味がないので、キーワードを絞り込むという作業が重要です。
キーワード広告は、まず試験的に月額3万円~5万円で、1カ月から3カ月間続けてみてください。1カ月~3カ月間と期限を区切るのは、キーワード広告の操作スキルを身に付けるのにそれくらいの時間がかかるからです。きちんとしたステップを踏んでキーワード広告を掲載した場合に、コンバージョンを1つ取るのにかかるコスト(CPA=Cost Per Action)は、業種・業界を問わず、統計上5千円~3万円だといわれています。3万円~5万円はコンバージョンを取るために最低限必要な投資額なのです。
そして、コンバージョンが取れるようになったらキーワード広告は一旦ストップします。そこで集めた情報をもとに、次のステップである「儲かるキーワード」 の特定に移ります。儲かるキーワードというのは、後で詳しく説明しますが、コンバージョンが取れるキーワードのことです。そのキーワードの数は、1つの商品につき1個~10個ほど。同時に、キーワード広告で見えてきたCPAを割り出します。高いお金で落札したキーワードでも、必ずしもコンバージョンに結び付くとは限りません。無駄なコストをかけないのは経営の基本ですから、どのキーワードでクリックするユーザーが多いのか、そこからコンバージョンに導けるのはどれぐらいの割合か、などを吟味します。
ただし、分析はあくまでも予想であり、実際に広告を出してみると期待はずれに終わる恐れもあります。それでも一度であきらめるのではなく、数回試してみてください。「ドンピシャ」のキーワードで広告を出せたとき、それまでの苦労が嘘のように問い合わせが殺到します。
きて、分析で使うのはグーグルの機能だけではありません。グーグル営業では、同時にマンパワーでSEMを行います。そのときに一番のポイントとなるのが、これから説明する「鉄アレイモデル」です。
工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋