儲かるキーワードを洗い出す

儲かるキーワードになるために必要な2つの条件は、検索回数が十分あること、キーワードにユーザーのニーズが込められていることです。

儲かるキーワードを選ぶために、まずは「量は質を凌駕する」という点を念頭に置いておいてください。前述したスタッフサービスの「オー人事」のような質の良いキーワードを作るには、コピーライターのような専門家に頼むのがベストでしょう。多くの中小企業はそこまでお金をかけられませんから、白力で探し出すしかありません。その第一渉として、自社のホームページに集まる情報から割り出すのです。儲かるキーワードというのは、1つの商品につき5~10個に収束していきます。これは、「社会全体の富の80%は20%の人間に集中している」というパレートの法則を応用した考えで、8対2の法則とも呼ばれます。その法則を当てはめると、多数のキーワードのうちの2割で売り上げの8割を構成していることになるので、その2割が儲かるキーワードといえます。

キーワードを選ぶときには、3つの視点から分析します。

1、自社(company)
2、他社(competitor)
3、顧客(customer)

これをキーワード3C分析法と呼んでいます。自分(自社)を知り、敵(競合相手)を知り、味方にしたい人(顧客)のことを知る。その3者が「いいな」と思っているキーワードこそ、最強のキーワードです。

 

1、自社を分析する

自社の分析とは、現状を把握することです。自分たちは「カッコいいホームページだ」と思っていても、コンバージョンにつながっていないのなら、何か問題点があるはずです。それを分析しなければ、ホームページを改善できません。自社の分析をするのに有効なのは、やはりグーグル・アナリティクスなどの解析ツール。

直帰率、滞在時間、閲覧ベージビュー、そしてコンバージョン率の4つのポイントを中心に調べますが、なかでも最も重要なのがコンバージョン率です。ほかのポイントの100倍ぐらい重要なチェックポイントですので、徹底的に調べてください。この4点をキーワード別に見るクセを付け、さらに後述するキーワードアドバイスツール「フェレットプラス」などを活用してみると、どれくらいのロスが生じているのかが見え、より効率的に集客して販売するキーワードを洗い出すことができます。同時に、自社のパンフレットや提案資料の中に記載されているキーワードをあらためて見直してみます。自社が強調したいキーワードで構いませんので、一度洗い出してみましょう。

2、競合を分析する

競合とは、同業他社だけではなく、キーワード広告などで自社が1位を狙っているキーワードを使っている企業、検索エンジンで同じキーワードで上位に表示されている企業が、力を入れて対策しているキーワードを洗い出していきます。そのキーワードが「儲かるキーワード」である可能性が高いのです。洗い出し方としては、競合する会社または商品のホームページで使われている、以下の項目について調べます。

・タイトル

これは、ホームページのタイトルのことです。例えばの場合、トップページを開くと、ブラウザーの上部のタイトルバーに「ソフトブレーンサービス株式会社営業支援eセールスマネージャーMS」と表示されます。検索エンジン対策をしている場合は、ここに上位に表示させたいキーワードを入れていることが多いので、ここを見れば、競合の主要対策キーワードが分かります。

・metaタグ

metaタグとは、グーグルなどの検索エンジンにホームページの内容を伝えるタグのこと。検索してほしいキーワードはmetaタグを使って指定します。競合のホームページの「ソース」をブラウザーなどで見てみると、英語の文字がたくさん表示されます。ソースはいわばホームページの設計書です。この中「meta」という表示に挟まれたキーワードが、そのサイトの主要キーワードだと判断できます。以前は検索エンジンで頗位を上げるためにmetaタグを利用する手法が流行りましたが、現在では版位に大きな影響がないといわれています。

・h1タグ

h1タグとは、ページ内で最も大きな見出しを指定するタグのことです。例えばトップページの最上部に「組織営業力を上げたい中小企業経常者・幹部の方へ」という見出しを掲げています。これはh1タグで指定しています。このh1タグに重要なキーワードを入れることで、検索エンジンで検索されるようにするのです。競合はどんなキーワードを使っているのか、チェックしましょう。

・キーワード出現頻度

これは表示されたページに、検索キーワードがどれだけ含まれるかの割合を表すもので、キーワードとホームページの関述性を判断する材料となります。例えばトップページでは「営業」という単語の出現頻度が最も多く、続いて「ソフト」「ブレーン」「サービス」「支援」となっています。検索エンジンは、基本的にキーワード出現頻度の高いページに対して、上位の順位を割り振ります。競合がどんなキーワードで上位にランクインされているのかをチェックするのです。実は、「競合」分析については、すでに対策する企業が増えているせいか、簡単に調べられるツールまで出ています。

競合が力を入れて対策しているキーワードは、儲かるキーワードである可能性が高いと判断できます。この方法は少ないコストで大きな成果が期待できるでしょう。もう1点、競合を分析するために、キーワード広告の他社の出稿状況を確認してみてください。検索エンジンの上部にあるスポンサーサイトのコーナーを「プレミアムポジション」といいます。現在、ヤフーーはここが4枠、グーグルは3枠です。ここに表示されている広告で使われているキーワードは「儲かるキーワード」だと考えられます。また、右側にもスポンサーサイトのコーナーがあります。このコーナーの下に「一覧を見る」という表示があります。ここをクリックすると、そのキーワードで入札している企業のサイトがずらずらと表示されます。40社以上に入札されているキーワードは、かなり儲かる確率が高いと考えていいでしょう。

3、顧客を分析する

キーワードには顧客のニーズが隠されていると練り返しお話ししました。顧客のニーズを知るために4つの方法があります。

・キーワードツールを使うキーワードを洗い出すために、「フェレットプラス」、グーグルの「キーワードツール」などのツールがあります。フェレツトプラスは気になるキーワードを検索すると、どのような組み合わせで検索されているのか、どのくらいの検索数があるか、などを調べることができます。グーグルが提供するのが「キーワードツール」です。このキーワードツールを使うと、検索数は山出てきませんが、関連語の候補を調べられます。この2つのサービスを使うと、ユーザーの関心度が高いキーワードが分かります。

・5W1Hを活用する

5W1Hとは、物事を明確に把撮するための、何を(What)、どこで(Where)、いつ(When)、誰のための(Who)、なぜ(Why)、どんな(How)、の6つの問いのことです。これは、ユーザーがどのようなニーズを持っているのか知るためのフレームワークです。5W1Hを把出世すると、キーワード広告やホームページで効果的に使いたいキーワードを選定できます。すべてを把探する必要はありませんが、一つの判断基準として覚えておいてください。

What:商品・サービスの全般的な呼び方で、商品名、サービス名、ブランド名を指します。最も一般的なキーワードですが、商品名やブランド名を知られていないと、このキーワードでは検索してもらえる可能性は低いでしょう。

Where:都道府県名、市町村名、駅名、地下街名、モール名、産地などを指し、絞り込めば絞り込むほど、ターゲットへの訴求率は高くなります。例えば、病院やフィットネスクラブなどは、自分の住んでいる地域や職場のある地域で限定して検索するのが一般的です。歯医者に行きたい人は、「歯科医院 東京」と打つより、「歯科医院 青山」と自宅や勤務先に近いところを探すはずです。つまり、青山にある歯科医院は、キーワード広告でキーワードを落札するときに「歯科医院 青山」を選ぶとコンバージョンが高まるということです。

When:時期、時間帯、季節など、その商品が使われる時期や時間を想定します。例えば、七五三用の貸衣装、父の日のフラワーギフトや、ゴールデンウィークのハワイツアーなどは、ユーザーが求める季節が決まっています。ユーザーが貸し衣装屋を探すときは、ただ貸し衣装で打ち込むのではなく、「七五三」「卒業式」のように季節と関係するキーワードを付けて検索すると考えられます。

Who:男性用、独身者向け、新卒者向けなど、ターゲットを指します。例えば、自社がスポーツ選手のためのボディーケア用品を扱っているのなら、「スポーツ選手向け」というターゲットを明確に打ち出したキーワードをちりばめると、スポーツ選手はもちろんのこと、趣味でスポーツをやっている人も「プロ用なら効果がありそう」と興味を持つかもしれません。模然と多くの人に興味を持ってもらおうとするより、ターゲットを絞った方が確実に集客できるケースもあります。

Why:なぜその商品を使うのかという理由です。例えば、節税対策、花粉症対策、アレルギー対策、独立開業のためのセミナーなど。不動産投資は人気がありますが、このキーワードに「節税対策」という言葉がプラスされると、より切実なニーズを持ったユーザーが集まってくるようなイメージがあります。

How:何(What) を修飾する形容詞です。例えば、高級な布団、激安のホームページ作成、特大のカニなど。多くのユーザーは、「布団」「カニ」という一般的なキーワードを打ち込んだら膨大なサイトが検索結果に引っかかってしまい、自分が求めている情報はなかなか探し出せない、という基礎知識はあるでしょう。そこで「高級な布団」など修飾語を加えるのです。その修飾語こそ、ユーザーのニーズの表れです。

・顧客の生の声

顧客のニーズを知るには、やはり直接聞いてみるのが一番です。商談の際に、顧客にアンケートを実施してみてください。これは第5章で詳しくお話しします。また、問い合わせ電話やメール、商談開始のときに、「○○が欲しいんですけど」「○○について知りたいんですけど」と顧客が発する第一声こそ、ニーズが最も高いキーワードです。なかでも、問い合わせのメールの文章には注目すべきです。メールを打っときは、ネットで検索しているのと同じような心理状況なので、顧客のニーズが凝縮されています。

・教えて!goo

教えて!goo」はユーザーが教えてほしい質問を投稿し、それを見たほかのユーザーが回答するコミュニティサイトです。

例として、テーピングで検索すると、テーピングに関する相談がずらずらと出てきます。「テーピングで皮膚がただれで困っている」と相談しているユーザーさんのコメントからは、「皮膚がただれないテーピング」というキャッチコピーを作ると、多くの人が興味を持ってホームページを訪れるかもしれない、と考えられます。「テーピングの方法を教えてください」という質問からは、テーピングの簡単な冊子をプレゼント」という広告文を作ると、クリックするユーザーが多いかもしれない、と予測できます。

このように、ネットの中には無数のユーザーのニーズが転がっています。それを見つけ出してどう生かすかが、グーグル営業の醍醐味なのです。

工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋

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