タイプ1 ホームページで集客を行う

これは営業マンに集容させるのではなく、ホームページに集客を任せるというわりと大胆なパターンです。しかも、ホームページの役割は集客のみ。戦略を徹底的に絞り込んだパターンです。

中小企業の場合、営業マンの数が少ないので、リアルのステップ1から4のすべてに対応するのは難しいという課題が出てきます。そういう場合は、すべてを充実させようと考えるのではなく、何を生かして何を削るかを考え、優先順位を付けるのです。

本米、営業マンは集客するのも仕事の1つですが、それはテレアポ専門の人に任せることもできます。営業マンが本領を発揮してほしいのはやはりステップ3の商談ですから、そこを最優先させ、集客はネットだけに任せて営業マンの負担を減らすのです。もちろん、集客させるためのホームページ作りやキーワード対策などが必要になります。営業マンが顧客と関わるのは、ステップ2の資料請求や見積もりでの段階から。ここをセットアッパーに任せてもいいでしょう。見込み客を今すぐ客に導くために、商談から先は営業マンの力量にかかっています。

実例1 松原産業株式会社

ホームページを作つでも問い合わせはゼ口

福井県に本社がある松原産業さんは、発泡スチロールの製造・加工を手掛ける会社です。明治8年創業という老舗でもあり、北陸、近畿圏内では80%の、シェアを誇る優良企業です。

福井県といえば、越前ガニ、小浜のサバやカレイなど、海の幸の宝庫。そのため、漁業組合などが魚を保存する発泡スチロールをまとめて発注したり、食品会社が梱包するために利用したりするというケースがほとんどでした。80%もシェアがあると、そこから新規開拓していくのは奈難の業です。そのため、営業
は既存の顧客を回って新しい発注をとりつけるという「ルート営業」 が中心でした。営業マンが営業で回っているときに日についた会社に飛び込み、売り込むこともありましたが、たいていほかの企業とすでに契約を結んでいます。100件回って、1件契約がとれればラッキーという状態でした。

転機が訪れたのは5年ほど前です。パイナルフォームという発泡スチロールの断熱建材を開発し、新規事業として立ち上げることになりました。その際に、「これからはホームページを1つは持つてないといけない」という話になり、パイナルフォームを紹介するサイトを立ち上げたのです。その際、ホームページの制作は外部の制作会初にお願いしたものの、社長の上田昌範さん自らホームページの勉強をして、設計をしたそうです。

ところが、そうまでして立ち上げたサイトだったのに、たまに問い合わせがある程度で、ホームページ作った効果はほとんどありませんでした。頻繁に更新をしなければならないと分かってはいましたが、反応がないとモチベーションは上がらないものです。思っていた以上にホームページの運営は難しいのだと、上田さんは痛感したそうです。

それからしばらくして、もともと持っている発泡スチロールの製造・加工技術を紹介する、総合的なホームページを立ち上げたいと考えるようになりました。
同業他社はどこもホームページを持っていて、出遅れているという現実もあります。ただし、すでにあるホームページと同じものを作ると、また問い合わせがほとんどないという事態を招くかもしれません。何か解決策はないかと探していた時に当社のホームページにたどり着いたのです。

 

工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋

 

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