想定外の問い合わせに頭を悩ませる

想定外の事態も招きました。金属なら何でも扱っているのだろうと、棒状やパイプ状の商品に関する問い合わせが非常に多かったのです。

エクセルさんは薄い金属が売りなのですが、逆に厚い金属の依頼があったりと、最初のころは「当社では扱っておりません」と説明するのにかなり時聞を割いたようです。そこで、製品の写真をトップページで出すなどの対策をとりました。キーワード広告文も、最初は入り口を広くするために、商品名を入れずにわざとほかした表現で作っていました。すると的外れな問い合わせが増えてしまったので、「SPCC帯鋼、板材を小ロット短納期で製造いたします」のように、来てほしい顧客だけが来るような広告文を何度も練り直しました。混乱も招きましたが、それもいい勉強になりました。今では問い合わせの内容の精度が高まり、成約に結び付く件数が増えています。

 

スキルを身に付けて、当社を「卒業」

前述したように、エクセルさんはこの業界では中堅レベルです。大手の上場企業でも特殊金属類を扱っているところは多数あります。ところが、「普通鋼」のような商品名で検索すると、エクセルさんは上位に表示されるようになりました。

それは同業他社がWebマーケティングに力を入れていない証拠です。今ならチャンスだと「先行逃げきり」を考え、グーグルやヤフーへの広告費を上積みして、後から他社がwebマーケティングに力を入れても、大きくリードしていられるような対策を練っています。今は社内全体でwebプロジェクトに取り組んでいるので、営業マンや工場の技術陣からも「もっと技術を売りにしてほしいから、コンテンツを考えてほしい」などの要望が出ます。月1回のプロジェクト会議の中で方向性をもむなど、社内全体で情報を共有しているのです。

そして、新しいホームページを作ってからちょうどl年たった2008年12月、ホームページを全面的にリニューアルしました。棒やパイプなどの問い合わせが来ないようにより写真の数を増やしたり、今まではトップページ上部のイメージ画像が大きすぎて商品情報が下の方になっていたので、商品情報のスペースを広げたりするなど、課題を1点ずつ改善していったのです。

実は、そのホームページはエクセルさんの社内のメンバーだけで作りました。1年間で当社からグーグル営業に関する知識を吸収し、自分たちだけで運営できるスキルを身に付けたのです。これは当相にとっても喜ばしいことです。今では、コンテンツの更新や改訂もすぐに対応できるので、よりスピーディーに展開しているようです。

工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋

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