85%の「YES」、91%の「NO」

数年前、ネットレーテイングスが実施したアンケートに興味深い項目があります。

「商品購入の際にホームページを参考にしますか」という問いに対して85%もの人が「はい」と答えているのです。さらに、「意思決定はホームページだけで行いますか」との問いに対しては、91%の人が「いいえ、ほかの情報も参考にします」と答えています。

これを読んで、「今の消費者は賢く買い物をするようになったな」と思っているようでは、あまりにものんびりしすぎています。ホームページをおろそかにするということは、85%もの顧客を失っているのも同然なのです。仮に、グーグルで1カ月間に10万人が検索するとします。

ホームページを持っていない、あるいは持っていてもまったく役に立たないホームページでは、その10万人の顧客が通る場所に、営業マンを配置していないようなものなのです。また、2つ日の項目の「ほかの情報」の中には常業マンも含まれています。例えば自動車の購入を考えている人が、ネットであらゆる車を比較検討した結果、1つに絞るとします。そこでいきなりネットで注文することはなく、次にとる行動は近くの販売店を探して、そこで実物を見て購入するという流れになります。そのときに常業マンの対応が悪ければ、勝入するのをやめるでしょう。やはりホームページと営業、両方の戦略が必要なのです。

「AISAS」という顧客がものを購入するまでの流れを5つのステップで表した理論があります。

Attention (注意喚起)
Interest (興味)
Search (検索)
Action (購買)
Share (情報共有)

例えば、パソコンを買い替えたいと思ったとします(Attention)。最近話題の5万円パソコンはどうだろうと思い(Interest)、ネットで検索します(Search)。パソコンメーカーやパソコンを比較するサイトを見比べて、「これ、いいな」と思うものを見つけたら購入に至るわけです(Action)。最後のSearchは使用した感想をブログや「カカクコム」などのサイトに書き込むことを指します。情報を独り占めにするのではなく、不特定多数の人に伝えて共有したいという思いは、まさにネット社会だから生まれた感情でしょう。その情報がクチコミとなって伝わっていくのです。

企業の視点から見ればShareはWebマーケティング、Actionは顧客に買ってもらうための営業となります。グーグル営業とは、ShareとAttention、この2つのステップを指すのです。いかに自社のホームページを検索してもらうか、そして営業マンと会って買ってもらうか。ここに力を入れれば最後のShareに結び付き、将来的により多くの顧客を獲得できる可能性も秘めているというわけです。

工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋

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