キーワード広告文で差別化を図る

グーグルが提供するキーワード広告「アドワーズ」で上位に表示されるには、広告の品質が重視されます。

これは、グーグルが「ユーザーの使い勝手が良い検索エンジンにする」ということを第一のポリシーとして掲げているからです。そのため、広告であってもユーザーの検索結果によって、順位が変動するということになります。

つまり、ユーザーのニーズに合わない広告は高い料金をつぎ込んだとしても上位表示されず、ユーザーの求めている質の高い広告は、安い料金でも上位表示されるのです。広告文では、上位に表示させるために、競合との差別化をいかに図るかを考えなければなりません。そのために必要なのは、知名度、カスタマイズ性(ユーザーに合わせる)、導入実績をアピールすること。ほかでは手に入らない希少性をたった3行の広告文でアピールして、1センチ隣にある競合の広告と差を付けなければ勝てません。競合に勝つための広告文を作るためのポイントは、全部で7つあります。

1、キーワードをタイトルに入れる(タイトルイン)

自社の売りを端的に表しているキーワードは、検索エンジンに表示されるホームページ名とその下にある3行の広告文に入れるのが基本です。検索エンジンに選ばれる質の高い広告は、検索キーワードとの関連性が高いものです。検索ワードと同じキーワードが広告タイトルと説明文に入っていると太字で表示され、タイトルに検索ワードと同じキーワードが入っていないと、関係ないホームページだと判断され、上位表示されなくなってしまいます。このとき、例えば、ホームページ制作は「ホームページ製作」と変換する場合もあるので、どちらにも対応できるように2パターン作っておくのが安全です。

2、メリットを淡々と具体的に書く

広告文を考えるとき、「テレビでも絶賛!」「みるみる痩せた!」のように、ついアピールポイントを前面に押し出してしまいがちですが、実はこれは効果があるどころか、かえって警戒心を抱かせてしまう広告文です。ユーザーは広告の臭いがするフレーズを見ると、「怪しいな」「何か裏があるんじゃないか」と警戒して避ける傾向があります。広告文でありながら広告だと思わせない、まるで矛盾しているようなテクニックが広告文を作るときに必要になります。

例えば、「鍵の110番」や、「水漏れ修理」など緊急性があるものでなければ、パッと目に付くようにすると、かえってクリック率が下がってしまいます。会社案内のような自然な文章の中で、コンバージョンを導けるキーワードをちりばめるのが理想です。とくにエクスクラメーシヨンマーク(!)を使うと、広告であると判断されやすいので、避けた方がいいでしょう。

3、ターゲツ卜を明記する

「BtoB向け」「企業家向け」など、ターゲットを明記するのも基本です。買ってほしいターゲットを具体的に入れると、それに当てはまるユーザーに選ばれやすくなります。例えば、保険会社の広告の場合は、「女但のための」「少しでも安くとお考えの方へ」 などとターゲットを明記すると、興味を持つユーザーが増えます。

4、全国対応か地域対応か

インターネットは、地域を問わずどこからでもアクセスできるので、全国展開を狙う企業にとって、商機を増やすチャンスでもあります。全国対応できる場合は、「全国通販」「全国対応」などと明記してください。地域を限定する商品やサービスを扱っている場合は、キーワード広告はクリック回数で課金されるので、「青山の歯科医院」という具合に地域名を明記すると、無駄なクリックを減らし、狙ったターゲットだけにアピールできます。

5、専門性を打ち出す

「専門家」「特化」という言葉を入れることにより、専門性を打ち出します。ユーザーも検索エンジンも、この2つのワードを好む傾向にあります。例えば、「発泡スチロールの加工なら」 とその業界で一筋にやってきたというイメージを与えるワードを入れるのも、いいアイデアです。ホームページ制作の会社なら、「フラッシュ作成特化」などと、本当は特化していなくても業務を限定した表現にすると、専門性があるというイメージが高まるので、ユーザーの信頼を得られやすくなります。

6、価格を明確にする

商品の価格を明確にするか、「激安」「特価」「無料」と明記すると安心感があります。ただし、「激安」「特価」「無料」といったキーワードは無駄クリックを誘発しますし、安物狙いの顧客しか集まらない可能性があるので、要注意です。やはり、価格を明記するのが有効なのですが、そのコツは1円の単位まで正確に書くことです。○○%オフと表記するのもいいでしょう。

7、顧客の不安を打ち消す

顧客が不安に思っていることや、知りたい情報に答えるキーワードを入れて、顧客の不安を打ち消します。例えば、歯科医院のインプラント(人工歯根)治療を受けたい人は、虫歯ではないのでそれほど緊急性はありませんが、ビジネスマンなら仕事を休まなくても通えるか、という点を知りたいと思うでしょう。そこで、「土日祝もインプラント可」というキーワードを入れれば、目に飛び込んでくるはずです。ネット通阪大手のアマゾンが新規にオープンした靴とバッグ専門のオンライン、ショップでは、「30日以内の返品は無料」を打ち出して、脚光を浴びています。

「送料無料」「返品可能」「サポート」「バックアップ」などというキャッチフレーズを入れると、顧客の不安を取り除けるので、安心して購入してもらえます。BtoBや物品販売向けに、「即日入荷」「最短○日」「24時間対応」「30分以内に在庫確認の上ご回答いたします」など、スピードを売りに出すのも、不安を取り除くキーワードの好例です。

ほかにも、細かいテクニックとして、迷っているユーザーに対して、比較検討できることをアピールするために、「品揃え豊富」「幅広く」「満載」などというキャッチフレーズを入れると反応が良くなります。「ゾクゾク」「ワクワク」「ドンドン」など、カタカナの繰り返しは、右脳に訴えかける作用があるそうです。また、「5つのポイント」「8つの解決策」「9つの秘訣」など、数字を明示すると、あたかも体系だっているような印象長与え、信頼性や説得性を生み出すことにつながります。

工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋

Copyright(c) 2010 SSGホールディングス株式会社 All Rights Reserved.