営業マン1人で売り上げ2.8倍アップ
2007年7月から新しいホームページが加わりました。Rosicのホームページは、とにかくホームページを見るだけでRosicについて理解してもらえるよう、製品に関する情報を網羅するよう心がけました。社名も小さく表記してあるだけなので、Rosicが社名だと思う人もいるかもしれません。製品の特徴、コンセプト、導入事例を紹介するほか、動画で製品のデモを見せるといった工夫もしています。
その結果、1回の訪問で必分間もサイトに滞在する人もいました。商談したときに、ホームページを印刷して、線を引いて読み込んでいる顧客もいたそうです。相手が商品に対する知識をある程度持っているので、商談もスムーズに進むという効来も生み出しました。そして、大島さんのこだわりは、「システムのパッケージ屋」であるという部分を前面に出したくないということ。人事にITを活用することで適材適所を実現できると、真剣に考えて提供しようとしているのだというスタンスを伝えたいと考えていたのです。そこで、メルマガは一切PR色を排除しました。
人事とITをテーマにし、最近読んだ本やDVDのこと、顧客との会話で心に残ったことなどをもとに、大島さんが率直に思いを述べる読みもの的な構成にしたのです。メルマガは隔週で配信し、A4サイズの紙で3、4枚分ものボリュームにもなる密度の濃い情報を掲載しています。メルマガの登録は300件からスタートして、今は1000件を超えるまで増えました。
SEOについては基本的なものだけを、取り入れることにしました。調べてみると人事システムの競合他社は、ネットでの露出にコストをかけていなかったのです。
・メタタグの設定
・検索エンジンのカテゴリー登録
・ページ内のキーワード密度を5%前後に調整する
・ページ数を極力増やす(初期段階で50ページ以上を構築)
基本的な対策を行っただけですが、新しいホームページが登場してから、「人事システム」というキーワードで検索すると上位に表示されるようになりました。
このような試みが功を奏して、新しいホームページを作る前は月1～2件程度だった問い合わせが、導入後は月30件も来るようになりました。見積もりまで行く確率も高く、売り上げは前年比で2.8倍。営業マンの負担をおさえたまま、たった1人の営業マンでここまで売り上げをアップできたのです。まさにホームページは優秀な営業マンです。
今後は、人材育成に行き詰まっている企業、離職する人が多くて悩んでいる企業などもターゲットにするようなサイトを作りたいと考えています。通常、そういう企業は教育研修に流れていくものですが、人事のデータを管理して解決することもできるのだと、一つの方向性を示そうと考えています。近いうちに、新たなサイトにお目にかかれるでしょう。
工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋
