ホームページを使い分ける

当社に相談に訪れた時点で、インフオテクノスさんはIT系のベンチャー企業だけあり、しっかりした会社のホームページがありました。インフォテクノスさんの顧客は大手企業が大半ということもあり、信用を得るためにもきちんとしたホームページを作るべきだという概念はあったのです。「導入事例」「お客様の声」「ニュースアーカイブ」などコンテンツはそろっていました。

それでも、やはり会社案内的なホームページであり、集客できる「儲かるホームページ」ではありませんでした。大島さんは、「受注開発を依頼する企業と、パッケージ製品を導入したい企業とではニーズが異なる。ーカ所に情報を集めてしまうと雑多になり、かえって離脱する割合が高くなるのではないか。Rosic単独のホームページを立ち上げるべきなのでは」と考えていました。そこで、今までのホームページはそのままにして、Rosicのホームページを単独で作ることになったのです。

その上で、営業プロセスをどう整えるのかを考えました。営業マンが1入しかいないのなら、もっとネットを活用するしくみを整えた方がいいのではないか。そう考え、集客、見込み客フォロー、ファン化の3つのステップを、ネットで対応するという大胆なプロセスにチャレンジすることになったのです。

まず、ホームページでしっかりと集客できる「仕掛け」を作りました。人事考課のデータを企業の戦略に活用するポイントをまとめた、「考課分析レポート」を作り、無料で配布することにしました。これは約30ページにも及ぶ充実した内容です。これを手に入れるためには、メールアドレスを登録するしくみにしたのです。メールアドレスを残してもらえれば、商談で会って名刺交換をするのと同じ効果があります。

それに加えて、メルマガと全5回のステップメールも作りました。申し込んでもらえれば、もちろんメールアドレスを獲得できます。このように、ホームページを見たユーザーに何らかの足跡を残してもらう仕掛けを用意したのです。こうして集めたメールアドレスに対して、セミナーの案内などをメールで送るのが、次のステップの見込み客フォローです。この告知は他社のメルマガに広告で入れてもらうことにしました。

そして、セミナーに参加する段階ではかなり製品に対するニーズが高まっているので、商談にも進みやすく、成約の可能性も高くなります。商談後、成約しなかった案件でも、いずれ商品を欲しくなる可能性はあります。そこで定期的にメールを送り、見込み容をしっかりつなぎとめておくようフォローすることにしました。

工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋

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