タイプ2 ホームページでリアルのフォローを行う

これはリアルのステップをフォローするためにホームページやメルマガを使うパターンです。ネットで新規の顧客を集めるというより、既存の顧客にホームページを見てもらい、新たに発注してもらう営業プロセスを作ることになります。さらにいうなら、今まで冷やかし客や見込み客だった人を、今すぐ客に変えるというしくみ作りです。

まず、展示会やセミナーを開いたときに集まった顧客や、営業マンが過去にセールスをした顧客の名刺をかき集めて、リストを作ります。そして、そのリストの顧客に対してメールマガジンを送るのです。

メルマガの内容は、もちろん業務に関すること。「新しいサービスを始めました」 「人気の商品を追加しました」 「30%オフのキャンペーンを実施します」などの案内のほか、担当者のつぶやき的な和やかなコーナーがあってもいいかもしれません。メルマガを新しいサービスやキャンペーンを開始する直前に送ると、興味がある人はホームページを見るか、電話で連絡してきます。

そこでステップ3の商談につなぐと、ニーズが高いので契約に結び付く確率が高くなるのです。

実例2 株式会社特殊金属工クセル

既存の顧客に依存していた

特殊金属エクセルさんは、高品質な精密金属材料を製造・加工する企業です。ステンレスや銅などを薄く延ばしてコイル状に巻いた金属材料を扱っているのですが、一番薄いものだと0.01ミリだというのですから、驚きです。製品はパソコンやOA機器、携帯電話、自動車部品など身近なものから、繊維や刃物、
ベアリングなどの精密機締まで、多種多様なジャンルで使われています。携帯電話のボタンスイッチにも使われているそうです。薄さだけではなく、隔も3ミリから340ミリと自由に調節できるので、顧客の要望に合わせて作るオーダーメードを基本としています。

エクセルさんは1940年創業の老舗企業で、特殊金属の業界では中堅企業として認知度もありました。けれども、既存の顧客との付き合いを重視し、新規の顧客をあまり開拓してこなかったのです。社員の多くが10年未満の若手社員になっているということもあり、今までのように既存の顧客を守りつつ、新たなところから呼び込もうという意識が社内に高まっていました。

そのための方法の1つとして、2000年にホームページを立ち上げたのです。そのときに作ったホームページは、会社案内型でした。 コンテンツといえば、会社の案内と製品情報、採用情報、問い合わせだけ。製品ごとの紹介もしていましたが、読みやすい内容ではありませんでした。

そのころは月に2、3件問い合わせがあればいい方で、日ごとのセッション数も50あるかないか、というレベルでした。ホームページの改善を検討していたとき、当社を知り、相談を受けたのです。

工藤龍矢書籍『グーグル営業』より抜粋

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